『応援の人類学』
書籍情報
共著者として「第五章 伝統校という歴史空間を構築する応援団―岩手県立盛岡第一高等学校の事例から」pp.146-174 を、本学会会員の瀬戸邦弘先生(鳥取大学)が担当しています。
・著者 丹羽 典生(編著)
・価格 3,400円+税
・ISBN-13 978-4-7872-3481-0 C0036
・発売日 2020年12月23日
・出版社 青弓社
【紹介】(出版社ホームページより)大学応援団の変遷、プロ野球の私設応援団の実態、伝統芸能とアイドルに熱狂する忘我現象などをフィールドワークに基づいて分析し、応援する人とされる人の世界を考察する。応援文化を多角的に描いて、「他者によって自分の存在を確認する行為」を検証する。
【紹介】(出版社ホームページより)
ひいきのプロ野球チームを熱烈に応援して勝敗に一喜一憂し、アイドルを追っかけてオタクの生活に浸る。応援団のリードに手拍子を合わせる。応援団としてファンを統制する。
他者を激励して成功を自分のものとし、失敗を自分の責任のように背負い込む応援するという行為を、どういう心性が支えていて、生活にどのように位置付けているのだろうか。大学応援団の実態や、スポーツと芸能の現場――特にプロ野球の私設応援団と、親衛隊からヲタ芸まで――をフィールドワークに基づいて分析し、選手・演じ手と観客との関係を考察する。
大学応援団の歴史や因習に縛られた上下関係、「男の世界」に女性が入り込んで生じるジェンダー問題、伝統校の新入生へのイニシエーション行為、それらが時代とともに変貌するさまを解明する。
また、プロ野球の私設応援団が引き起こした事件と無秩序の実態、その後の統制と管理、トライアスロンなどの参加型スポーツイベントの地域住民と参加者の交流、さらには伝統芸能とアイドルに熱狂する忘我現象とは何か、にも迫る。
応援文化を多角的に描くことで、「他者によって自分の存在を確認する応援という行為」を照らし出す。
【目次】
序 章 野次、喝采そして応援―応援の人類学的研究に向けて 第1章 共感と感情的高揚からみる応援・支援―キリバス人・バナバ人の歌と踊りの事例に基づいて
第1部 応援する組織―大学応援団を中心に
第2章 日本の大学応援団の原型―その変化と組織秩序が示唆する論点を考える 第3章 日本の大学応援団での女性応援部門の創設と展開―神戸大学応援団を主な事例として 第4章 大学応援団の吹奏楽―関西学院大学応援団総部吹奏楽部の事例を中心に 第5章 伝統校という歴史空間を構築する応援団―岩手県立盛岡第一高等学校の事例から 第6章 時代を映す鏡としての応援団―ある戦後新設高校の事例から
第2部 応援する人/される人の関係――スポーツと芸能の場から
第7章 集合的応援での統制と管理―日本のプロ野球私設応援団の管理をめぐる変遷から 第8章 バンクーバー暴動とは何だったのか―北米プロスポーツリーグのファンダムをめぐって 第9章 応援に表象される参加型スポーツイベントの定着化―長距離トライアスロン大会を例に 第10章 演じる見物の諸相――芸能と祭における見物と演者をめぐって 第11章 アイドルを声援することの系譜学―親衛隊からヲタ芸まで あとがき
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