ラオス競漕祭の文化誌
−伝統とスポーツ化をめぐって−


 

  書籍情報

・著者 橋本 彩

・価格 5,400円+税
・ISBN-13 978-4-8396-0319-9
・発売日 2020年2月
・出版社 めこん

「版元ドットコム」の冊子紹介

 
【紹介】(「版元ドットコム」より)

ラオス・タイ・カンボジアなどで盛大に行なわれる競漕祭(ボートレース)をスポーツ人類学の面から研究した専門書。著者は長期間ラオスに滞在して数多くのレースを観察、関係者にインタビューを重ね、さらに往時の現地新聞を丹念に読み込んで、19世紀から今日に至るまでの「競漕祭」の変遷をまとめました。特に、ボートレースと儀礼の研究がユニークです。カラー口絵8ページに実際のレース風景、儀礼などを紹介。

【目次】

序章
1.競漕祭における「伝統」と「スポーツ」:本書の意義と目的
2.ヴィエンチャンの歴史・地理・文化背景
 

第1部 フランス植民地政府の影響下で創造された競漕祭

第1章 ラオス刷新運動期の競漕祭とスポーツ(1893年〜1945年)
1.ラオス・ナショナリズムの萌芽:ラオス刷新運動
2.ヴィエンチャンにおけるラオス刷新運動   
3.考察:ラオス刷新運動期の競漕祭における「伝統」と「スポーツ」

第2章 競漕祭に付随する儀礼と守護霊の召喚(1953年〜1964年)
1.アルシャンボーが記録した儀礼の分析(1953年)
2.儀礼における文言(守護霊の召喚句)の分析
3.考察:ラオス王国独立後の競漕祭と「スポーツ」の関係性

第2部 王国から社会主義国へ移行した激動期の競漕祭
第3章 伝統スポーツ概念の登場(1965年〜1974年)
1.《サート・ラーオ》新聞における競漕祭
2.「伝統」と「スポーツ」の接近
3.王族の参列による競漕祭の拡大
4.考察:「伝統スポーツ」という概念の登場

第4章 団結と国家繁栄のための競漕祭(1975年〜1999年)
1.社会主義政権樹立直後の競漕祭を取り巻く情勢
2.《ヴィエンチャン・マイ》新聞から読み解く競漕祭   

第3部 21世紀の競漕祭における伝統論争

第5章 伝統をめぐる地域間の駆け引きと舟に集約される「伝統」
1.2000年のカテゴリー分化に関する伝統論争
2.競漕祭における舟の規定:舟に集約される「伝統」の形
3.伝統舟とフーア・スード(スポーツ舟)の分布
4.競漕祭に付随する儀礼 
5.考察:21世紀の競漕祭における「伝統」と「スポーツ」

参考文献
巻末資料


 
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